
次は待望の新作ダイバーズウォッチが登場しました。しかも、これがただの新作ではありません。グランドセイコーのダイバーズウォッチとしては史上最小型となるモデルで、本当につけやすい仕上がりです。
さらに注目したいのが、昨年2025年に発表されたスプリングドライブの新ムーブメント、U.F.A.を搭載している点です。つまり、年差±20秒という異次元の精度も実現されているということになります。
スプリングドライブU.F.A.は以前取り上げましたが、当時からムーブメントの直径がかなりコンパクトだったので、このサイズ感がどこかで活かされるだろうとは感じていました。それが今回、ダイバーズウォッチという形でしっかり具現化されたのは、かなり嬉しいポイントです。
今回はこの新作、Ushio 300 Diver(SLGB023とSLGB025)を詳しく見ていきましょう。ブライトチタン製のケースは直径40.8mm、厚みは12.9mmで、グランドセイコーのダイバーズウォッチとしては最小です。全体として非常にバランスの取れたプロポーションに収まっています。
デザインはエボリューション9スタイルに基づいていて、薄型で低重心な設計に仕上げられています。幅広で安定感のあるエクステンダー付きブレスレットが組み合わされることで、見た目以上に付け心地の良さが際立ちます。

ダイバーズウォッチにありがちな過剰な存在感を抑えつつ、日常使いにも自然に馴染むバランスです。このモデルには Ushio 300 Diver という名前が付けられていますが、これは日本を取り巻く潮流、潮の流れから着想を得たものです。そのため、ダイヤルの片打ちテクスチャーも波模様が表現されています。
ブルーは深海に差し込む光を思わせる表情で、グリーンは浅瀬の透明感を描いています。ダイヤル外周を暗く、中央を明るくするグラデーションによって、視認性とデザイン性を両立させていて、潮の流れや広がりを視覚的に感じさせる構成になっています。
特にグリーンダイヤルは光学多層コーティングが採用されています。PBDによって薄い膜を幾重にも重ねることで色を表現しているんです。その結果、片打ちの繊細なパターンが際立つと同時に、光の当たり方によって色合いが変化する奥行きのある仕上がりです。
また、日付表示をあえて排除している点も特徴です。僕は日付表示はなくていい派なんですが、これはデザイン上の選択というよりも、40.8mm というサイズを成立させるための判断で、プロダクトとしての優先順位が明確に表れています。今回はしっかりと小さいダイバーズウォッチを作りに来ていますよね。
ベゼルにはセラミックス素材が採用されていて、実用性と高級感のバランスも取れています。ツールウォッチとしての完成度も非常に高いです。防水性能は 300m 空気潜水用防水。これまでは200m防水だったので、着実にスペックアップされています。
特に印象的だったのがブレスレットです。これまでの Grand Seiko のブレスレットは、改善の余地が指摘されることもありましたが、昨年の U.F.A. 登場時に微調整機構が導入されました。そして今回はダイバーズウォッチということで、さらに一歩進んで エクステンダー付きブレスレット まで追加されています。
具体的には2mm刻みで6mmの微調整、さらにダイビング時には18mm拡張可能です。合計で24mmものサイズ調整に対応している点は、かなり実用的で柔軟性の高い仕様と言えます。日常使いするときは細かなフィット調整が可能で、ダイビングする際には大きく拡張できる、そんな設計です。
実際、厚手のウェットスーツでも7mm程度の厚みが一般的なので、それを全体としてカバーできる設計になっている点からも、実用面を意識していることがわかります。日常使いから実際のダイビングまで、しっかりカバーしているわけですね。
さらに細かい部分で印象的なのが、安全性への配慮です。バックルはスライド操作によってロック状態が視覚的に確認できるようになっており、意図しない開閉を防ぐ構造になっています。リューズにも同様に赤いラインが設けられていて、締め込み不足が一目でわかる設計です。こうした視覚的にわかる安全設計は、ダイバーズウォッチとして非常に重要なポイントですよね。

このモデルの核となるのが、キャリバー9RB1です。

昨年登場した スプリングドライブU.F.A. をベースにしたムーブメントで、年差±20秒 という非常に高い精度を実現しています。以前にも詳しく解説していますが、従来の日差とは次元の違う精度を持つムーブメントです。
パワーリザーブは最大巻き上げ時で約72時間(約3日間)持続します。日常仕様においても十分な実用性を備えたスペックです。また、今回のモデルではパワーリザーブインジケーターがダイヤル側に配置されているのも特徴です。昨年のモデルではムーブメント側に配置されていて、ダイヤルの表情をより純粋に楽しめる仕様でしたが、本作では ダイバーズウォッチ であることを踏まえて、実用性を優先したレイアウトになっています。残留を確認できることが重要になるので、この配置は非常に理にかなっていると思います。
さらに、今回のキャリバーはダイバーズ用途を前提に対衝撃性も強化されていて、高精度ムーブメントでありながら、ツールウォッチ としての信頼性も確保されています。
価格は税込みで165万円。この価格帯で考えると、ロレックスのサブマリーナ や オメガのプラネットオーシャン が競合として挙げられます。

ただ、その中で見ると、スプリングドライブの連鎖精度に加え、この独自性の高いダイヤル表現、そして日常使いしやすいサイズ感のチタンケースと、エクステンダー付きブレスレットといった要素は、非常に明確な差別化ポイントになっていると思います。

グランドセイコーの新作、Ushio 300 Diverは、単なるサイズダウンではなく、精度、実用性、デザインをバランスよく再構築した一本です。

プロダイバーとしての性能と、日常使いのしやすさを両立させた、新しい立ち位置のモデルと言えると思います。個人的には、グランドセイコーのダイバーズウォッチの中でも、かなり完成度の高いモデルだと感じました。
それに、付けやすいサイズもあって、実際かなり気に入っています。これまでサイズで敬遠していた人にとっては、非常に魅力的な選択肢になると思います。
そして、スプリングドライブU.F.A.というムーブメントが、こうしたツールウォッチにも搭載されたことで、今後の展開にもますます期待が高まります。

皆さんはどう思いましたか?ぜひコメントで教えてください。