オスカーの歴史に残る5つの伝説的腕時計【映画と時計の華麗なる共演】

かつてはタキシードの袖の下に隠される伝統的なドレスウォッチが並ぶだけだったアカデミー賞のレッドカーペット。しかし近年、オスカーの夜は時計愛好家たちにとって、ユニークで革新的なデザインを目撃できる最高の機会となっている。

本記事では、アカデミー賞の歴史に刻まれた、最も話題となった腕時計の着用シーンを振り返ってみよう。

1. ポール・メスカルのカルティエ タンク チノワーズ（2023年）

ハリウッドの新星、ポール・メスカルは、昨年の授賞式でロジャー・ムーアのジェームズ・ボンドを彷彿とさせる白のディナージャケットを着用し、観客の注目を集めた。70年代を彷彿させるワイドパンツ、大きな蝶ネクタイ、そして赤いカーネーションという装いに合わせて選ばれたのは、カルティエ タンク チノワーズであった。この時計は、アールデコ調の華やかさを加え、レトロモダンな雰囲気を演出していた。

2. ミシェル・ヨーの「リシャール・ミル RM 07-02」（2023年）

2023年、主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーは、アジア人女性として初の快挙を成し遂げた。彼女の腕時計もまた、歴史的な瞬間を象徴するようなものであった。数百個のダイヤモンドが散りばめられたリシャール・ミル RM 07-02 は、そのサイズと独特なトノー型ケースにより、レッドカーペットの定番とは言い難い。しかし、アカデミー賞を受賞する際に、1000万円を超える機械式腕時計を身につけることができないのなら、いつできるというのだろうか？

3. ジャン・ルカ・パシ・デ・プレポズーロのロレックス デイトナ（2022年）

アカデミー賞受賞女優のジェシカ・チャステンの夫であるジャン・ルカ・パシ・デ・プレポズーロは、2022年の授賞式でロレックス デイトナの最高峰モデルのひとつである Ref. 6265 を着用し、時計愛好家たちを驚かせた。彼は、ソリッドゴールドのケースにブラックの文字盤と黒いレザーストラップを組み合わせたこの時計をチョイスしたのだが、これはおそらくアカデミー賞の歴史上、最も洗練された選択のひとつと言えるだろう。

4. ダニエル・ Kaluuyaのカルティエ サントス スケルトン（2021年）

アカデミー賞受賞者と彼らの時計選びには、興味深い相関関係があるようだ。2021年に助演男優賞を受賞したダニエル・ Kaluuya は、受賞スピーチの際、カルティエ サントス スケルトンを着用していた。これは、クラシックなカルティエのデザインを現代風にアレンジしたもので、透かし彫りの文字盤からは精巧なムーブメントが覗き、72時間のパワーリザーブを誇る。

5. ティモシー・シャラメのジャガー・ルクルト レベルソ デュオフェイス（2018年）

2018年、「君の名前で僕を呼んで」で主演男優賞にノミネートされたティモシー・シャラメは、純白のディナージャケットと蝶ネクタイというクリーンな装いで登場した。そして、彼はこのコーディネートに合わせ、同様にクラシックなドレスウォッチであるジャガー・ルクルト レベルソ デュオフェイスを着用していた。シャラメのスタイルは近年より実験的になってきているが、この時のクラシックなスーツと時計の組み合わせは、彼の人気上昇の幕開けを象徴するものとなった。